新型コロナウイルスワクチンの接種が世界各地で進んでいます。日本でも医療従事者・高齢者からワクチン接種がはじまり、65歳以上のワクチン接種率は60%を超えました。(※7/27日現在、2回接種済みの方の割合)しかし、全体でのワクチン接種率は25%であり、働く世代へのワクチン接種が間に合っていない状態にあります。
これから職域接種を実施する企業の中には、
「どうやったら職域接種をスムーズに進められるだろうか?」
「何を確認すればよいの?」
と不安に思っていらっしゃる方も多いのではないでしょうか。
私も初めての職域接種の際には「看護師の臨床経験がないし、筋肉注射や経過観察できるだろうか。」「何をすればいいんだろうか。」という心配がありました。しかし、職域接種に参加し全体の流れや確認のポイントを学んだことで、ワクチン接種への不安をなくすことができました。
今回は、職域接種の流れとポイントについて紹介していきたいと思います。
Contents
職域接種の流れ
職域接種の流れは次の①~⑥の順番で進んでいきます。
① 受付
当日の受診人数や予診票、接種券の有無を確認する
・予診票を忘れた方→その場で記入
・接種券が無い又は届いていない
→2回目の際にもってきてもらう
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② 予診票確認
問診入力に漏れがないかやリスク者確認を行う。
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③ 予診
診察医がワクチン接種可能かを判断する。
経過観察は通常15分で注意が必要な方は30分とる。
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④ 接種
筋肉注射にてワクチン接種を行う。
・接種時の注意点をお伝えする。
(激しい運動、アルコールを控えるなど)
・迷走神経反射を起こす人はベッドにご案内する
・経過観察のため接種時間を記入する。
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⑤ 接種済証発行
ワクチンシールを貼り、接種済証を返却する。
(接種券が無い人は接種記録書を作成するなどの対策を行う)
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⑥ 経過確認を行う
気分不快、体調不良などの症状がある際には、手を挙げて合図してもらうように声かける。
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⑦ 予診票を回収する
ポイント
① 受付
② 予診票確認
予診票では、基礎疾患の記入漏れや名前の漏れが多くの時間を要します。接種や経過観察に関わるリスクの抽出を迅速に行うためのポイントが4点あります。
上記の確認を行い、リスクのある人には赤や青のシールを貼る、付箋をつけるなどの工夫をして視覚的に判断しやすいようにするのがおすすめです。
③ 接種
初めての接種に不安を感じている方が多いので、声掛けを行う。
迷走神経反射や接種後の体調不良は精神面からくることも多いので、
緊張をほぐすことが大切です。
④ 接種券の発行
接種のスピードが速いと接種券発行が混む場合があり、社員の方が接種券の発行をせずに経過観察ブースに移動してしまう場合があります。予診票と接種券の数が合わず数百人の予診票を一から照らし合わせないといけなくなるため、誘導を確実に行う工夫をしましょう。
⑤ 経過観察
体調不良者が出た場合は、フローチャートに沿って対応していきます。
医師診察・重症度の判断→一時救命処置・紹介状作成→予防接種後副反応疑いの報告書の作成
(予防接種後のアナフィラキシーへの初期対応フローチャートがあります。)
まとめ
今回は職域摂取接種の流れとポイントについて紹介していきましたが、いかがでしたでしょうか。初めての試みに不安に思うことも多いかもしれませんが、職域接種・地域接種を含めワクチン接種の機会が少しでも増えるきっかけとなれば幸いです。
最後まで読んでいただきありがとうございました。