看護学生の山場ともいえる看護学実習。
何を書いて良いのか分からない
書きたい事がまとまらない
とアセスメントに苦戦することはありませんか?
私もアセスメントが苦手で、文章にするのに30分以上かかっていました。「記録が読みにくい」と看護師さんに言われたこともあります。社会人になってアセスメントを重ねる中で、コツをつかみ文章を分かりやすく伝えることができるようになりました。
ここではアセスメントを簡潔に仕上げるコツを紹介いたします。
アセスメントに悩む時間を減らし、看護師さんの心象もよくしていきましょう!
ここでは“糖尿病”という看護問題を例にSOAP形式でアセスメントを展開していきます。
糖尿病重症化のリスク
S:甘いものはいけないと分かってはいるんだけどどうしても我慢できなくて。
O:血糖値200㎎/dl、尿糖3+
A:血糖高値であり、糖尿病重症化のリスクがある。原因として間食による糖質の摂取過剰が考えられる。
間食を減らし、運動を行うことで血糖値を下げていく必要がある。
P:間食をやめる
運動する
上記の例ではアセスメントの根拠が薄く、糖尿病のリスクのある人には誰にでも当てはまる文章になってしまっています
糖尿病のアセスメントに必要な情報
年齢、性別、血糖値、HbA₁C、尿糖、血圧、脂質、体重、腹囲、腎機能、眼底、自覚症状(疲労感、口渇)、現病歴・既往歴、間食・飲酒の有無(ある場合はどんな状況で摂取するか)、3食の内容・時間、喫煙歴
・看護問題の根拠となる情報→血糖値、HbA₁C、尿糖、体重、腹囲、自覚症状(疲労感、口渇)
・今後のリスクを予想するための情報→血圧、脂質、眼底、腎機能、現病歴・既往歴
・看護問題の原因を考えるための情報→間食の有無(ある場合はどんな状況で食べるか)、3食の内容・時間
※情報収集のコツについては別記事を参照して下さい。
アセスメントを簡潔にまとめるコツ
現在の患者の状態(経年の変化)→今後どうなるリスクがあるか→原因→対策の順で書く。
病態生理と根拠を原因の部分で書く
個別性はPの看護計画で追加する
これに沿ってアセスメントをまとめていきます。
S:甘いものはいけないと分かってはいるんだけどどうしても我慢できなくて。
子どもと一緒に食べる午後3時のコーヒーとお菓子が唯一の楽しみです
朝は何も食べない。お昼と夜は遅めで丼ものや麺類が中心
O:56歳男性、血糖200mg/dl、HbA₁C 12、尿糖3+(前年度 180mg/dl、HbA₁C 10、尿糖2+)、血圧150㎜Hg 、脂質TG300 LDL150 HDL40、体重90kg、腹囲100cm、腎機能eGF 40 Cr1.2、疲労感、口渇あり、現病歴・既往歴なし、喫煙 15本/日30年
A:経年で高血糖。尿糖、体重減少、自覚症状あり重症糖尿病である。1度高血圧、脂質異常症であり脳血管疾患発症のリスクがある。また、腎機能低下より糖尿病腎症をはじめとする糖尿病合併症のリスクがある。
肥満によるインスリン抵抗性の増加に加え、欠食・間食による血糖コントロール不良が原因と考えられる。食事・運動での減量が必要である。
P:朝食を摂取する
間食を控える(昼食を定食スタイルにする。3時はお茶にして子どもと遊ぶ)
運動する(食後に30分散歩をする)
最初の文章に比べて患者さんの経緯や個別性、全体像が伝わり、根拠をふまえて何をすればよいかをイメージしやすい文章になっています。
今回はアセスメントを簡潔に仕上げるコツを紹介いたしましたがいかがでしたでしょうか?
アセスメントだけでなく、看護師さんへの日々の報告にも使えます。
この記事でのコツが皆さんの充実した看護実習に繋がれば幸いです。
最後まで読んで頂きありがとうございました。